目次:http://himajin.diarynote.jp/201103131200449531/

他のEDH解説記事:
 http://himajin.diarynote.jp/201106251337379351/ (構築・色の役割)
 http://himajin.diarynote.jp/201401070713565931/ (総マナコスト・固有色とパワーカード)

色別・機能別カード一覧(EDH用)
 http://himajin.diarynote.jp/201102251025063995/ (白)
 http://himajin.diarynote.jp/201102260024065927/ (青)
 http://himajin.diarynote.jp/201103091645392140/ (黒)
 http://himajin.diarynote.jp/201103212219144019/ (赤)
 http://himajin.diarynote.jp/201103260209349448/ (緑)
 http://himajin.diarynote.jp/201104051810584387/ (無)

色別コンボ一覧
 http://himajin.diarynote.jp/201110022057173066/ (1色以下)
 http://himajin.diarynote.jp/201205242057062063/ (2色)
 http://himajin.diarynote.jp/201110110001493626/ (3色以上)


EDH(Elder Dragon Highlander、新名称では統率者戦/Commander)というフォーマットがそもそも何かについてはWikiって下さい。
http://mtgwiki.com/wiki/EDH

基本多人数戦用のフォーマットですが、1対1でも対戦できます。その場合はカードパワーも変わってしまうので、デッキの組み方も変わります。通常1対1のものを1vs1と呼んで区別してます。


【総論】
多人数戦であれば当然、各プレイヤーに影響を及ぼすカードや 《光輝王の昇天/Luminarch Ascension》のようにプレイヤーやターンの数を参照するカードは強く、また逆にプレインズウォーカーのように自分のターンごとにしか機能しないようなカードはいつもより相対的に弱くなります。さらに、多人数戦において最も大事なことの1つとして、「他の1人のプレイヤーと1対1交換をするようなカードは他のプレイヤーから見て相対的にカードアドバンテージを失っているだけ」なので、たとえ優秀なカードやギミックでも対戦相手1人と1対1交換を基本とするものはあまりデッキに大量に入れるのはよくないです。例えば単純なケースだと、プレイヤーA,B,Cの3人戦で1vs1のように1ターン目にAが手札をすべて使ってBにニコルシュートを決めてBの手札を空にした場合、AとBはともに手札が空なのにそれを眺めていただけのCは1人だけ手札が充実することになります。結果、1対1交換を完遂したはずのAはCに対してとてつもないディスアドバンテージを背負ってしまいます。基本的には全体除去のように全プレイヤーに影響を与えるカードや、自分とせいぜい他1名のみがカードアドバンテージを得られるようなカードを優先しましょう。ただし全体に影響を与えるカードと言っても、ロック系のカードなどは必然的にヘイトが上がるので自衛策と併用しない限りは死期が早まります
またライフが普段の2倍あるので、《稲妻/Lightning Bolt》や《古の墳墓/Ancient Tomb》や《ネクロポーテンス/Necropotence》のように固定ダメージに関するカードはそのダメージそのものの与える影響がいい意味にも悪い意味にも半減し、《セラの高位僧/Serra Ascendant》や《死の影/Death’s Shadow》や《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》のように残りライフを参照するカードについてはその影響が2倍と考えましょう。つまり固定ダメージを対戦相手に与えるカードは弱くなる反面、固定ダメージやライフペイをデメリットとして自分に課すカードは強くなり、またプレイヤーの残りライフ分だけ恩恵を得られるカードは強くなり、逆に残りライフだけデメリットがあるものは弱くなります。同様のことがライブラリーのカードについても言えます。


【カード選択】
ジェネラルについて。当然ですが軽くて強いジェネラルがいいですよね。ジェネラルは一度破壊されても2マナ追加で払えばまた唱えられるようになるので、複数回唱える前提だとジェネラルのマナコストを2マナ下げることは実質カード1枚分のアドバンテージにつながります。ただし軽いジェネラルを使うことはゲーム開始時の時点でカードアドバンテージを得ている点では大きいのですが、軽い分カードパワーが下がることも考慮しなければいけません。つまり1回多く唱えられるからと言って、弱いジェネラルを使ってしまったらあまりアドバンテージを得ていることにはならないのです。例えば、《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》を使うのと《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》を使うのでは3回分勇丸を多く唱えられますが、それはあくまで勇丸3枚分に過ぎず通常の3枚のアドバンテージよりは明らかに微々たるものでしょう。最悪勇丸4回出すよりアクローマ1回出す方が仕事をしてしまいます。
また当然ですがジェネラルの色は非常に重要で、特に打ち消し・サーチ・ドロー・ファッティの揃った青は非常に強いです。、まあできるだけサーチやドローはあった方がいいのですが、そんなこと言うと使える色が限られてきちゃうので好きなジェネラル使うといいと思います。詳しくはEDHにおける色の役割(http://himajin.diarynote.jp/201106251337379351/)を参照してください。

除去について。単体除去はただでさえ上にあげた理由により多人数戦ではあまり入れたくないカードですが、EDHでは1vs1だとしても微妙な扱いです。何故ならクリーチャーはジェネラルが手札の消費なく何度でも唱えられるので、実質カードアドバンテージを失ってしまうため極端に弱くなり、《剣を鍬に/Swords to Plowshares》やその亜種レベルでないと採用しづらいのです。従って単体除去の積みすぎに気を付けましょう。とは言っても1・2マナで撃てる軽量確定単体除去を少なくとも2・3枚、できれば4・5枚は積んでおかないとクリーチャー主体のコンボを止められなかったりファッティに蹂躙されるので、完全に除去なしはやめておいた方がいいです。アドを失ってでも除去しなくちゃいけないクリーチャーは少なくありません。
対して全体除去や置物なども巻き添えにするリセットカードはカードアドバンテージを失いにくいのである程度積極的に採用するといいでしょう。EDHはマナの伸ばしやすいフォーマットなので、他のエターナル環境と違って全体除去を撃つチャンスが多いわけですし、ジェネラル次第では結構ファッティ連打でボードを固められてしまいますから。とにかくリセットはパワーカードなので、なくて困ることは多くてもあって困ることは少ないです。
恒久的なコントロール奪取もジェネラルを奪ってしまえば相手のジェネラルを封殺できるので、自然にジェネラル対策になります。EDHでは通常お目にかかれないようなファッティがしれっと出てくるので、EDHでのコントロール奪取のカードパワーは侮れません。
ジェネラルを統率領域に戻す置換効果が適用されるのは破壊などで墓地に落ちたり追放された場合のみなため、《糾弾/Condemn》のようにクリーチャーをライブラリーに送る効果や《拘引/Arrest》のように戦場に残したまま無効化する効果は優秀なジェネラル対策になり、単体除去であっても例外的にアドバンテージを失いにくいので評価が上がります。
バウンスは1vs1ではジェネラルを戻してもすぐに出されてしまいますが、多人数戦では他のプレイヤーの存在により相対的なテンポロスを与えることができるので白くないジェネラルで軽い除去に困っているなら一行の余地があります。
また《魂の捕獲/Soul Snare》のような置き除去は置いておくだけで暗々裡に「置き除去のコントローラーを殴るなら置き除去を使われるけど他のプレイヤーを殴るなら使われない」という駆け引きが生じ、各プレイヤーのボードの危険性があまり変わらない序盤なら基本的に置き除去のコントローラーを殴らない方がお互いの都合のいい方向にゲームが進むので実質防御呪文のように働き、その場合は置き除去の起動もしなくて済むのでこちらのリソースを失いにくくなります。まあヘイトが高い場合はそうもいきませんしクリーチャー主体のコンボに効かないのでそこまで評価は上がりませんが。
リソースを減らさずに除去として働かせられるカードは他にティムがあります。2点以上の火力をタップとマナだけで生めるティムは戦場に残り続けている限り軽量ジェネラルを幾度となく焼けるので、相手次第では非常に厄介な存在となるでしょう。そういった厄介なカードは通常ヘイトが上がるのですが、ティムに関しては効く相手が限定的なのでむしろ効かない相手からは擁護されやすいのもプラスです。

クリーチャーについて。EDHは初期ライフも人数も多いので、軽くて単純に殴るだけのクリーチャーはあの《タルモゴイフ/Tarmogoyf》ですらあまりぱっとしないものになります。しかし先述の理由で単体除去があまり採用されなくなるため序盤のシステムクリーチャーやマナクリーチャーは生きやすく、特に多人数であるほどクリーチャーのサボタージュ能力や戦闘ダメージ誘発型能力が機能しやすくなります。ただし、単体除去が少ないからと言って低マナのシステムクリーチャーにばかり頼って並べていると普通にリセット連打されますから何事もほどほどに。
また優秀なマナファクトが多く、かつ長期戦になりやすいためある程度マナ域の高いクリーチャーが採用されやすくなり、特にエルドラージ・クリーチャーは色を問わず使えるので非常に強力です。

マナ加速について。EDHではジェネラルをいち早く戦場に出したり2度目3度目のジェネラルキャストを実現しやすくしたり、1ターンに多くの行動を取れるようにしてくれるマナ加速は非常に重要です。特にEDHでは上記の理由でマナクリが除去されにくいことも踏まえ、緑の軽量マナクリーチャーや2・3マナの土地ブースト呪文やマナファクト全般は積極的に採用しましょう。中でも緑のマナ加速は通常のマナファクトの比でないレベルで序盤から安定して加速してくれるので入れておいて損はありません。マナクリを増やすことでデッキパワーが落ちるかもしれないと感じるかもしれませんが、ジェネラルを唱えられる回数を増やせることは直接カードアドバンテージにつながっており、かつマナが伸ばすことで1ターンに複数回の行動が取れるようにすることは多人数戦では特に強力なので、結果的にデッキパワーが上がることは多いです。ただし2ターン目にジェネラルを唱えたり何かしらのコンボを指導することの多いデッキの場合はマナカーブ的に2・3マナのマナ加速を採用しづらくなりますので、その辺は普通の構築と同様の考え方で臨機応変に。
またマナファクトについても《Mana Crypt》と《太陽の指輪/Sol Ring》と《魔力の櫃/Mana Vault》の3種は性能が桁外れで緑のマナ加速を凌駕するレベルなので色を問わず多くのデッキで使われます。

置物破壊について。危ない置物が多いのでなるべく置物に触れられるようにしましょう。しかし単体置物破壊を積みすぎてもアドバンテージが取れないので、特に多人数戦では置物リセットやクリーチャーも巻き添えにできるようなカードも採用してアドバンテージを取りに行ったり、キャントリップつきだけどのものや複数個の置物を対象に取るカードなどを入れるといいでしょう。《荒残/Rack and Ruin》や《蹂躙と咆哮/Stomp and Howl》のような複数個の対象を取るカードは多人数戦であれば普段より唱えやすくなります。またマナファクトが多く使われるので必然的にエンチャント破壊よりアーティファクト破壊の方が腐らず使いやすいでしょう。

ドローについて。ドローカードには環境に強いものが多く、特に《ネクロポーテンス/Necropotence》や《森の知恵/Sylvan Library》のようにライフをリソースとするカードは上に書いたように相対的に強化されるので、積極的に入れましょう。ドロー7系や軽量ドローなどがあると息切れしにくく楽しいゲームが出来そうです。

サーチについて。ハイランダー構築においてサーチカードは強力です。特に《悟りの教示者/Enlightened Tutor》や《結界師ズアー/Zur the Enchanter》のようにアドバンテージの塊である《ネクロポーテンス/Necropotence》をサーチできるカードは非常に強力で、サーチによりカードアドバンテージを失ったとしてもサーチする先が《ネクロポーテンス/Necropotence》のようなものなら逆にアドバンテージを得られることがよくわかります。またアドバンテージにつながらなくても、2枚コンボが多いのでサーチカードを数多く積むことでコンボ開始が非常に早まりますし、やはりただ単にハイランダーなのでサーチのカードパワーは普段より数倍高まっています。

打ち消しについて。コンボやぶっぱ系のカードで非常に恐ろしいものが多く、特に2枚で始められるコンボにあふれているため手札破壊より打ち消しの方が安心です。優秀な打ち消しが多いので、自分もコンボをたくさん積みすぎてスロットがないというのでなければ積極的に優良カウンターを積んでおきましょう。またジェネラルを打ち消すことはカードアドバンテージを失うことにつながってしまいますが、厄介なジェネラルを打ち消し続けることで相手のテンポを大幅に落とせることは重要です。特に《邪魔/Hinder》や《呪文丸め/Spell Crumple》のように打ち消したカードをライブラリーに送るようなカウンターはジェネラルを再起不能にするので非常に強力です
また1vs1の場合と違って多人数戦では1対1交換になる打ち消しよりも、《Arcane Denial》や《夢の破れ目/Dream Fracture》のような自分ともう1人にカードを引かせるカードの方が全体で見るとアドバンテージを失わずに済むので採用しやすいでしょう。同じ理由で、カードアドバンテージを失いにくい「呪文をコピーするカード」や「呪文の対象を変更するカード」も相手の呪文対策として1つの候補になります。

手札破壊について。コンボを止めるための使い方としてはソーサリータイミングとなるので不安で、また当然ですが相手のジェネラルに対する妨害には全くなりません。しかも多人数戦になれば1人の手札を攻めても先述の理由で相対的に損をするので、カードアドバンテージの取れない手札破壊を大量にデッキに入れるのはあまり得策ではありません。例外的に《精神錯乱/Mind Twist》は強力なマナファクトと合わせることで早い段階で1人の行動を一気に不能にするので強力ですが、それ以外に関してはどうせなら、自分のコンボを達成するために青いジェネラルを使っているプレイヤーの手札破壊をしたり、何らかのサーチをしてマナが尽きたプレイヤーが次のターン何かしてきそうであればそのプレイヤーに手札破壊をする、というようにピンポイントな使い方がいいでしょう。

土地破壊について。土地破壊はEDHのルール上そのままジェネラル対策になります。特に《抹消/Obliterate》や《死の雲/Death Cloud》のような土地もクリーチャーも同時にリセットできるようなカードはジェネラルを完全に封鎖するのでとても強いです。しかしながら他のカードと同様、1人の土地を攻めるだけのカードは多人数戦に置いては相対的に損をするだけなので、あまり数をデッキに積みにくいです。せいぜい《露天鉱床/Strip Mine》系くらい。例えば多人数戦でポンザを組んで誰かを狙い撃ちしても、他の誰かに悠々マナを伸ばされてそのプレイヤーに蹂躙されるでしょう。逆に、1vs1ならば1対1交換でもまるで損をしないので、ポンザのような戦略が非常に強力になります。

防御呪文について。多人数戦においてパーマネントによる防御は強いです。《独房監禁/Solitary Confinement》のように完全に攻撃をシャットアウトする置物はもちろん、各プレイヤーのボードの危険性がさほど変わらない序盤なら《亡霊の牢獄/Ghostly Prison》のような緩めの攻撃制限や《コーの安息所/Kor Haven》のような単体防御程度でも「このプレイヤーを殴るよりは他のプレイヤーを殴った方が効率がいい」という思考を働かせられるので、防御用の置物の信頼度が若干増します。またパーマネントによる防御なのでリソースを消耗しにくい上に持続性もあるというのが単体除去などとの違いでもありますね。でもそれはあくまで各プレイヤーの脅威が同じ場合の話で、《結界師ズアー/Zur the Enchanter》のようにヘイトの高いジェネラルを使っていたり明らかに危険なコンボを狙っていることがばれていたり、はたまた個人的に周りから恨まれていたりする場合は防御呪文関係なく皆から殴られるでしょうね(๑→ܫ←๑) まあそれでも攻撃しづらくなっているのでないよりはマシでしょう。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索