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少し開いてしまいましたがダイエットと体作りにための筋トレのコラム第二弾です。前回は基礎代謝糖新生という概念を通して何故筋肉をつけることがダイエットと体作りのために大切であるかを説明させていただきましたが、今回は筋肉をつけるためにジョギングなどより優先して筋トレが必要な理由についてです。体作りはともかくダイエットのための運動と聞いてまず連想するのはジョギングや水泳の類が多いと思います。もしくはスポーツが好きな人は球技なり具体的な競技を思い浮かべるかもしれませんね。それらが大切なことはもちろんですが、実は筋肉をつけるための方法としてはジョギングでは不適切で、水泳やスポーツでも筋肉はつきますがその付け方はダイエットや体作りのための合目的的な方法とは言えないのです。やはり筋肉をつけるには筋トレなのです。

というわけで何故筋トレが大切なのか、何故ジョギングでは駄目なのかを学ぶため、
・過負荷の原理
・MR値
の2点について解説します。スポーツや水泳などでの付け方はどのような点で不満があるかについてはまた後ほど。

スポーツ科学という分野は日々邁進し続ける領域であり、10年前は正しいと信じられていた理論が既に否定されてしまっているというケースも稀ではありません。私もかなり古くてうろ覚えな知識から引っ張って来ていますので、鵜呑みにせず他の記事などを参照し自分の中で咀嚼することをお勧めします。


【過負荷の原理】
普段しないような運動をしたとき、普段より重いものを持ったとき、若いうちは翌日までには筋肉痛がくるものです。筋肉痛の正体を考えてみたことはございますでしょうか。実はこの筋肉痛、ダイエットと体作りのための筋トレ人の筋肉が強く生まれ変わることのサインなのです。

日常生活では生じないような強い負荷が筋肉に加わると、筋肉を構成する筋繊維が傷つき一時的に弱まります。傷ついた筋繊維はやがて分解され、この時の刺激で筋肉痛が生じます。そして筋繊維が再生されますが、以前受けた強い負荷に今度は耐えられるようにするために、再生後の筋繊維は分解前のものより少しだけ太くなるのです。このちょっと筋繊維が太くなる現象を超回復と言います。ここで大事なのは、
1.日常で受ける負荷よりも大きい負荷(過負荷)を筋肉が受けないと筋繊維が傷つかない。
2.傷ついた筋繊維がきちんと分解されて再生されないと、筋肉は弱ったまま。
3.再生後の筋繊維は太くなるので、以前と同じ負荷では筋繊維が傷つきにくくなる。
の3点です。特にが重要で、過負荷の原理とはまさしく日常生活ではありえない負荷を筋トレによって筋肉に与えて超回復させるという筋トレの基本メカニズムを指します。また歳を取ると筋肉痛が2日後に来るとかそもそも来ないとか言いますよね。これは老化により人体に自然に備わっていた代謝機能が劣化し、傷ついた筋繊維の分解が遅れたり適切に行われなかったりしているためにそのようなことが起きていて、を踏まえると筋肉痛の来ないような状況での筋トレは筋肉を弱らせるだけの作業になってしまうということです。そうなる前に、若い内から体を作っておいて代謝機能を万全に働かせておくのがいいですね(σ・ω・)σまたについては下でMR値の項目で見させていただきます。

さて、について戻ります。日常で受けることのない負荷を筋肉に与えられればいいなら、ジョギングでもいいのではないかと思うかもしれません。しかしジョギングというのは、筋肉にとって「大きな負荷を与えるもの」ではなく「小さな負荷を長時間与えるもの」なのです。筋繊維を傷つけて初めて超回復が生じることを思い出して下さい。筋繊維を1つの糸のようなものだと思い浮かべていただくと、それを引っ張って切るためには1回の強い力で引きちぎらないといけませんね。糸に張力で釣り合いを保てる程度のほどほどの力を持続的にかけ続けても糸を疲弊させることはできますが、なかなか切ることはできないのです。だからこそ過負荷の原理は筋トレに適用されるものであってジョギングには適用されないのです。もちろんジョギングやスポーツなどは別の理由で大切なのですがその話はまた次回詳しく見ていきましょう。


【MR値】
さて、過負荷の原理を適用するためには日常生活で与えられる負荷より大きな負荷を必要とするということを学びましたね。では具体的にどの程度の負荷が妥当なのでしょうか。負荷が重ければ重いほどいいというわけではなく、昭和のスポコン漫画のように科学せず根性で高負荷なトレーニングを続けることは怪我のリスクを高めるだけではなく、そもそも筋トレ効果の面でも逆効果になりやすいです。極端に重い負荷を受けた筋肉は通常の筋トレよりも多くの本数の筋繊維を傷つけ、中にはひどくぼろぼろになってしまうものもあるでしょう。そうした過度な嗜虐は筋繊維がうまく再生せず、超回復に至らないどころか元の筋肉よりも劣化していることがあるのです。それでは本末転倒、そうならないためにも適切な負荷強度を知っておくのが無難でしょう。

筋トレとは、器具を使うにしろフリーウェイトで行うにせよ、共通することとして特定の運動を繰り返すという行為で成り立っています。そこで、筋トレの負荷強度を示す1つの指標として、「その運動を休まずに何回繰り返せるか」を考えます。これがいわゆるMR値という概念です。例えば同じ腕立て伏せでも、それを30回出来る人にとってはMR=30であり、それを10回しかできない人にとってはMR=10なわけです。ジョギングは1歩進む(または左右合わせて2歩進む)ことが繰り返しの最小単位なわけですが、10歩でリタイアする人は滅多にいないわけで、ジョギングのMR値は桁違いなものになってしまいます。ようするにMR値が小さいものほど運動の強度が高いのです。

ここで、筋トレ効果には大きく分けて2種類あります。1つは筋肥大効果であり、もう1つは筋出力増大効果であります。筋肉が太くなれば当然筋肉は大きな力を生み出せ、筋繊維の太さはそのままでも1本1本の出力が上がればやはり筋肉全体としてより大きな力が出せるようになります。従いましてどちらも筋肉のパフォーマンスを高める効果なわけで似たようなものですが、見た目には全然違います。だって筋肥大するということは筋肉の体積がそもそも大きくなるということですので。筋トレのMR値が適切な範囲で低くなるにつれ、筋繊維は傷つきやすく超回復により太くなりやすくなります。逆にMR値が高くなっていくと、筋繊維はあまり傷つかなくなるので超回復しにくくなり、代わりに反復回数が増えることで筋肉および神経が正確な学習をしやすくなるため結果的に筋繊維1本1本の出力効率が上昇します。そしてMR値があまりに高くなるとジョギングのように正確なMR値が測定できなくなり、そうなるともう筋肥大効果は全く望めず完全に筋出力増大効果に絞られます。もちろん例外的にプロのアスリートが行うような長時間のトレーニングは高MR値にもかかわらず非常に高い負荷を持っていますが、ここで紹介するような一般人の体作りやダイエット向けの運動とは程遠いのでそういった特殊なトレーニングは考えないことにしましょう。

今回はダイエットと体作りを目的としているので筋トレは筋肥大効果を目指すものです。筋肥大効果を得るために適切な筋トレのMR値は最初の内は具体的には7~12を目指すといいでしょう。筋トレに詳しくなったらそれ以外のMR値を色々研究してみるのもいいと思います。筋トレのMR値を細かく調整するにはトレーニング器具を使うことが分かりやすいです。その時々の自分の体に合わせた重さのおもりをつけることでいつでも適切なMR値を実現できますし、トレーニング器具というものは細かい筋肉の部位を正確に意識して設計されているので1回1回の筋トレで鍛えたい筋肉に絞って負荷を加えることができます。もちろん器具を使わないトレーニングでもおもりをちゃんと用意出来れば自分の工夫次第である程度調整が効くので、その辺はお好みで。器具を使わないでかつフリーウェイトのトレーニングを行う場合はMR値を10付近に合わせることが難しいので、その場合はMR=20~30くらいを目安にするといいでしょう。器具を使わないと細かい調整はやはりしにくいのでデータをちゃんと取って各トレーニングと自分のMR値の関係をしっかり把握しておきましょう。特に過負荷の原理の時に説明したを忘れてはいけません。先週までは40kgのおもりでMR値が10だった筋トレも、今では体が強くなって50kg必要になっているかもしれません。特に筋トレを始めたばかりの間は慣れない運動に対し体が急速に学習するので、低いMR値でも高い筋出力増大効果が見られるためトレーニングによっては10kg分も急に変わることなんて珍しくはありません。また本当に最初の最初は筋肉痛も非常に重くなりやすいので無理はせず、MR値も大きめを目安にした方がいいかもしれません。慣れたら自分のペースを掴みましょう。いずれにせよ筋トレをする上では体調管理を怠らず、自分の体の変化に敏感になりましょう。


次回は筋肉をつける手段としてスポーツなどよりも筋トレのほうが今回の目的に合っていることの理由や、だからといって筋トレ以外にもジョギングやスポーツなどが大切な理由を解説させていただきます。

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